お菓子の世代交代に飲み込まれた!?引退を迎えたあのお菓子を分析


お菓子の世代交代に飲み込まれた!?引退を迎えたあのお菓子を分析

チェルシーが3月で販売終了になるというニュースを見ました。
がーん。ヨーグルト味が大好きだったのでかなりショック。


参考:販売終了商品 チェルシー ヨーグルトスカッチ 10粒 / 株式会社明治
https://www.meiji.co.jp/products/candy_gum/00883.html

コンビニなどでも見なくなり存在感が薄れて、好きと言いつつ私ももうずっと食べていませんでした。
いざなくなると聞くと寂しいもので、もっとネットとかで探してでも買っていれば生産中止にはならなかったのかもなんて、、あとの祭りですね。
ロングセラーに敬意をこめて、今日はチェルシーについて分析してみます。


チェルシーの歩み

チェルシーが誕生したのは1971年のこと。

「今までにない特徴とおいしさを」ということでスコットランドのスカッチキャンデーにたどりついたそうです。

誕生から今まで50年以上愛されてきたチェルシーですが、こんなにたくさんの味があったのですね!

わたしは中高生時代よくチェルシーを食べていましたが、ちょうどその頃は種類も多いようで人気が出ていた様子が年表からも伺えます。

チェルシーと言えばこの黒い箱に鮮やかな花のパッケージがとても印象的ですが、このパッケージもかなり凝ってつくられたようです。

デザイナー数名に依頼してコンペ形式でこれに決定したそうですよ!当時の明治の本気加減が伝わります。


参考:チェルシーブランドサイト 歴史 / 株式会社明治https://www.meiji.co.jp/sweets/candy_gum/chelsea/history/

チェルシーのマーケット分析


チェルシーの販売終了について、明治は「市場環境や顧客ニーズの変化に伴う販売規模の低迷で、収益性が悪化した」としている。

明治「チェルシー」3月末で販売終了…53年前にバタースカッチなど2種類発売、近年は低迷 / 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240304-OYT1T50125/
今回、販売終了の理由を上記のように発表した明治。つまりはチェルシーがオワコン化した説が浮上するわけですが、実際のデータはどうなっているのでしょうか?


どんな年代の人に好かれているのか

■デモグラフィック分析_チェルシー 好感あり(Knowns 消費者リサーチ調べ)
Knowns Biz調べ:デモグラフィック分析_チェルシー 好感あり

チェルシーに好感を持っている人を対象にしたグラフを見ると、男女比は女性の方が若干高くなっています。
女性を意識した味の設定や(バターの多いリッチでスイートな味)パッケージデザインを考えると納得の結果です。

■商品・サービスへの意見_チェルシー(Knowns 消費者リサーチ調べ)


Knowns Biz調べ:商品・サービスへの意見_チェルシー 注目のご意見

年齢分布のグラフでは45~49歳がピークで階段状にパーセンテージが変化しています。
若者に受けているというよりは、往年のファンが多いといった感じでしょうか。

■7 JourneyTable_チェルシー ジャンル利用者のみ(Knowns 消費者リサーチ調べ)


Knowns Biz調べ:7 JourneyTable_チェルシー ジャンル利用者のみ
利用率と年齢層がわかるグラフで詳しく見てみると、積極的ロイヤル(現在購入していて、次回も高い購入意向がある)では割合が高い順に

40代後半:14.5%
40代前半:12.6%
50代前半:11.9%
30代後半:9.6%

消極的ロイヤル(現在購入していて次回は低い購入意向がある)では

40代後半:15.0%
50代前半:13.0%
60代後半:11.1%
50代後半:11.0%

と、積極的ロイヤルより消極的ロイヤルの方年齢層が高い傾向が見られました。
逆に、10~20代では未認知層が大きな割合を占めています。


飴市場の変化

チェルシーの利用年齢層の背景には、飴市場の縮小が関係していると考えられます。

実は、チェルシーなどの飴の市場は縮小傾向にある。調査会社のインテージによると、飴の中でものど飴は堅調だが、それ以外の2020年の国内販売額は357億円(推計)。約20年で4割減少している。

 業界では特に「若者の飴離れ」が指摘されている。15~29歳の若年層で1年に1度でも飴を買った人の割合は、23年の調査で3割弱。10年で2割強も減った。市場アナリストの木地利光氏は「飴は消費するのに時間がかかる。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する若者は、長時間かけて何かを楽しむより、その瞬間、瞬間で物事を楽しむ嗜好(しこう)があり、飴は敬遠されている」と分析する。

チェルシー終売の背景は若者の「タイパ嗜好」 中年層は惜しむ声、頼まれなくてもCMソング歌い出すほど… / 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/314020

たしかに最近コンビニでも、飴は棚の下の方に数種類置いてある程度だったり(夏は熱中症対策の雨が増えるイメージだが)するけれど、グミは目の高さのスペースにばーっと一面かかっていたりしますよね。

代わって伸びているのが食感も楽しめ、短時間に食べ終わるグミだ。明治もチェルシーを最後に商品ラインアップから飴が消え、今後はグミや主力のチョコレートへのシフトを強める。

 東京都世田谷区の高校1年女子も「同じ味を食べ続けるのは飽きるし、学校の休憩時間に食べ終われない。チェルシーも好きだけどグミの方がいい」と話した。

チェルシー終売の背景は若者の「タイパ嗜好」 中年層は惜しむ声、頼まれなくてもCMソング歌い出すほど… / 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/314020

ここにも現代ならではのタイパ価値観がこんにちは。笑

ここでいうタイパというのは、ただ単に早く食べ終わるということではなく、短い時間でどれだけ高い満足感を得られるかという意味。

ラムネのように一瞬で溶けてしまうものでも、飴のようにずっと口の中にあり長く楽しめるものでもなく、短い時間で食感や味の変化も楽しめるグミやチョコが若い世代に広く好まれているのですね。


チェルシーが好きな人の価値観とは

■サイコグラフィック分析_チェルシー 現在購入層
Knowns Biz調べ:サイコグラフィック分析_チェルシー 現在購入層/消費価値観
ここでまず触れておきたいのが、消費行動原理タイパ重視型消費という価値観があまりない人が多いという点です。



■サイコグラフィック分析_チェルシー 現在購入層(Knowns 消費者リサーチ調べ)



Knowns Biz調べ:サイコグラフィック分析_チェルシー 現在購入層/消費価値観
ちなみにキャンディ全体の価値観を見ても、現在購入層にタイパの価値観はあまり強くないことが分かります。


次に機会ウェイトについてですが、お得感より自己満を優先する価値観があるようです。
チェルシーは現在168円(税込)。

はちみつきんかんのど飴(10粒)が約120円、レモンスカッシュが袋(72g)で160円前後という価格設定を見ると、チェルシーは少し高めの飴です。

それでも好感をもっていたり購入したりする人たちには自己満足消費という価値観があるようです。

感動ポイントノスタルジー消費価値観については言わずもがな。に懐かしさやエモさに感動する人が多いようです。
リピート消費についても似ていて、どんどん新しいものを開拓するよりも、ひとつのものに愛着をもって懐かしんだり、繰り返し利用する人の割合が大きくなっています。


■ワードクラウド_チェルシー 好感あり(Knowns 消費者リサーチ調べ)


Knowns Biz調べ:ワードクラウド_チェルシー 好感あり
Knowns に寄せられた口コミで頻出のワードが分かる画像にはヨーグルトが存在感を放っています。やはり、ヨーグルトファンが多いようですね!(私も含め)


またパッケージ懐かしいCMなど、レトロな箱デザインや当時話題になった「チェルシーの唄」のCMなど昔を懐古するようなワードが多く出ていることが分かります。
年齢分析(40代以降に好感を持っている人が多い)やノスタルジーの価値観を結果と結びついていますよね。


■イメージ分析_チェルシー 現在購買層(Knowns 消費者リサーチ調べ)


Knowns Biz調べ:イメージ分析_チェルシー 現在購買層
イメージ分析を見ても、”ノスタルジー・懐かしさ“や”青春・甘酸っぱい“など、エモさを感じる項目が高いパーセンテージを占めており、口コミやサイコグラフィックで見られた傾向と親和性があります。

また、”かわいい・萌え“や”家庭的・安堵感“、”上品・優雅“、”フェミニン・大人っぽい“など女性らしさや柔らかさ、穏やかさを感じるようなイメージが上位に着ている一方、下位には”先進・テクノロジー”や”タフ・頑丈”、”話題の・流行っている”、”利便・合理性”など新しさや効率、強さなどを感じるイメージが並んでいます。

チェルシーは女性ターゲットに作られた商品ということなので、世間のイメージと商品コンセプトが合致している点にプロの企画力を感じます!



チェルシー購買者が今買っているのは

■相関分析_ハードキャンディ・のど飴 積極的ロイヤル×現在購買層(Knowns 消費者リサーチ調べ)
Knowns Biz調べ:相関分析_ハードキャンディ・のど飴 積極的ロイヤル×現在購買層
パッと見た感じのど飴が多いことが分かります。
おやつとしての利用よりのどの痛みや乾燥を解消するものとして利用する人が増えたようです。


■イメージポジショニング分析_キャンディ 利便・合理性×ノスタルジー・懐かしさ
(Knowns 消費者リサーチ調べ)
Knowns Biz調べ:イメージポジショニング分析MAP_キャンディ 利便・合理性×ノスタルジー・懐かしさ
縦軸を”利便・合理性”、横軸を”ノスタルジー・懐かしさ”にしたグラフを見ると、チェルシーの位置は右下。
(ノスタルジー・懐かしさのイメージが強く、利便・合理性イメージが弱い)
近い位置にはミルクキャラメルやハイソフトなど往年の人気商品があります。
真逆の左上エリアにはのど飴が多数位置しています。
競合分析のランキングにもあるように、のど飴系の人気があることがここでも見て取れます。

参考:商品カタログ 氷あめ グレープ/ UHA味覚糖
https://www.uha-mikakuto.co.jp/catalog/hardcandy/ca208.html


また、氷あめやグリコ、ハイチュウといった飴(の進化系?)やそれ以外のお菓子に移行している傾向がここにも現れています。
ちなみにシャーベットペロというお菓子ですが、、

参考:商品カタログ シャーベットペロ サイダー/ パイン
https://www.pine.co.jp/post-2552/

これです。私は知りませんでした、、。
シャーベットベロや火垂るの墓でお馴染みのサクマ式ドロップス(これは販売終了しましたが緑の缶のサクマドロップスは健在)はレトロなお菓子です。
これらはチェルシー同様ノスタルジー価値観の持ち主に響くものがあるのかもしれません。
チェルシーの過去購買者の動きとして3種類あることが分かりました。

・のど飴に移行
・飴ではなくタイパや歯ごたえを重視したお菓子に移行
・レトロなお菓子ファン

「市場環境や顧客ニーズの変化に伴う販売規模の低迷で、収益性が悪化した」と語った明治のいう通り、飴市場には大きな変化が起きているのかもしれません。

飴はオワコンなのか?
コンテンツとしての盛り上がりを見るには、SNSが最適かなということで、グミ系のSNSを探ってみます。


参考:日本グミ協会 @gummy_japan/Instagram
https://www.instagram.com/gummyjapan/
日本グミ協会のインスタグラムのフォロワーは4.7万人(3/29現在)。

参考:あいうえおのグミチャンネル / YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCW3BENStoY79VXQi5J2wzwg
グミ協会会長のYouTubeチャンネルは約10万人のチャンネル登録者数を誇っています(3/29現在)

参考:代官山Candyappleりんご飴専門店 @candyappleofficial / Instagram
https://www.instagram.com/candyappleofficial/

参考:まいあめ / myame @myamejp/Instagram
https://www.instagram.com/myamejp/

飴に関するアカウントで人気があるのはフルーツ飴のショップのアカウントや、組み飴のアカウントでした。
どちらも”映え”が魅力です。

今のところ飴の新しい活路はコンビニやスーパーで販売するよりも、見た目も楽しいアイテムとしての魅力を活かすことなのかもしれません。
チェルシーに関して言えば、個人的にはチェルシーがオワコンか?というとファンがいっぱいいたのに、、という気持ちがどうしてもぬぐえないです。泣


■商品・サービスへの意見_チェルシー(Knowns 消費者リサーチ調べ)
Knowns Biz調べ:商品・サービスへの意見_チェルシー
なくなるのは寂しい!という声も多数。
ロンブー淳さんの「チェルシーのグミを作ればいいんじゃない」という発言を見た瞬間、「それ!!」と思った人はきっと私だけじゃないはず、、

グミ化したお菓子たち

近年のグミ人気に伴い様々なお菓子がグミになっています。
梅男、ヨーグレット、ガツンとみかん、オランジーナ、パインアメ、八天堂まで、、、もはやひとつのトレンドとも言えます。

もともとある商品をグミにする魅力は2つあると思っていて、ひとつは「あれのグミバージョン!?」と興味をそそられること。もうひとつはある程度味の想像がつくこと。

ちょうどいい冒険や楽しみになるのかななんて思いました!

今年販売終了となってしまったチェルシーですが、実は2023年に勝負に出ていた模様です。

参考:ローソン、明治「チェルシー」ヨーグルトスカッチ味どら焼き&バタースカッチ味マシュマロ餅 / ファッションプレス
https://www.fashion-press.net/news/110020

なんと、どら焼きとゼリー!

どら焼きはかなり挑戦したなと思いますがゼリーは普通においしそう!!

これだけ積極的ロイヤルもいて、認知率も高い人気商品だったのでまだ活路があったように思えて仕方ない、、というのはあまりにも身勝手かもしれませんが、明治さん、チェルシーグミの開発待ってます!笑

まとめ

チェルシーの販売終了には近年の飴市場の変化が関係していることがわかりました。

長年愛され続けたロングセラー商品であるチェルシーにはどんなファンがついていたのか下記にまとめます。


チェルシーが好きな人は、、

  • 女性の方が多い
  • 40歳以上の購入者が多い
  • 原体験からくる懐かしさに価値観を見出している(ノスタルジー消費)
  • 愛着をもってリピーターになっている(リピート消費)

昨今の飴市場は

  • のど飴が人気
  • ハイチュウやキャラメル、グミなど食感を楽しめるお菓子のマーケットが拡大→飴市場は縮小傾向
  • タイパという概念が広がり、ずっと口にある飴人気が低迷

などの変化が起きているようです。


普段意識していなくても、「言われてみれば!」と気付きが多い執筆作業でした。

実際2年ほど前から私もグミにハマりよく食べるようになったのですが、それも売り場で目に付くところにグミが陳列されていたり、SNSで見る機会が増え知らないうちに脳に刻み込まれた結果なのかもしれません。

チェルシーがかなり高額で転売されていて、買いたくても買えない、、、もう一度食べたい、、と、チェルシーロス中の筆者です。