調査データ公開中|IP活用事例から学ぶ施策立案のポイント


IPコンテンツを活用したマーケティングが注目される中、具体的な成功事例や実践的なノウハウが求められています。

本記事では、人気アニメ「怪獣8号」と通信キャリアのコラボレーション施策を想定した提案データを基に、IP活用においておさえたいポイントを詳しく解説します。

【事例分析】アニメ×通信キャリアのコラボ提案

ここでは提案内容を順を追って紹介していきます。代理店としての提案を想定していますが、実際にIPコンテンツを持っている企業にも参考にできるポイントも多くあります。順番に説明していきます。

全体概要と消費者データ分析

まずこの事例は、人気アニメ「怪獣8号」を活用した通信キャリア・NTT docomoとのコラボレーション施策を想定した提案内容です。アニメIPへの消費者意識を理解したうえで、通信サービスの抱える課題解決の手段としてコンテンツコラボ施策を提案しています。

提案をするにあたりKnowns 消費者リサーチのデータを使い、IPの認知度や各キャリアユーザーの反応パターンの仮説を立てています。データを活用することで勘や何となくで選んだIPではなく、データドリブンな施策立案ができます。

ここでは人気コンテンツを出すことが重要ではなく、あくまでも提案先である通信キャリアが狙いたいターゲットに合うコンテンツを見つけて提案することが大切です。

提案相手の競合を知る

今回の提案先は通信キャリアです。そのため競合キャリアのデータを見て、提案先のポジショニングを知る必要があります。

またIPコンテンツに対するキャリア別の反応率比較では、各社のユーザー特性により、IPへの反応に違いが見られました。

  • docomo ユーザーの反応率
ユーザーの反応
年代 認知度 契約意向
10代 84.1% 69.1%
20代 87.0% 61.3%
30代 91.5% 59.4%
  • au ユーザーの反応率
ユーザーの反応
年代 認知度 契約意向
10代 97.8% 75.5%
20代 96.2% 63.5%
30代 97.2% 62.6%
  • SoftBank ユーザーの反応率
ユーザーの反応
年代 認知度 契約意向
10代 89.2% 66.4%
20代 95.3% 64.3%
30代 95.6% 58.7%

※提案資料からデータを一部抽出

この結果から、auユーザーが最も高い認知度を示す一方で、docomoユーザーは年代が上がるにつれて認知度が向上するという特徴的な傾向が見られます。

この内容を参考に競合との違いと獲得したいターゲットを見極めていきます。

戦略的ターゲット設定の重要性

今回のコラボ提案では20~30代男性をメインターゲットに設定しています。

このターゲット層に決まった理由としてはこの年齢層と怪獣8号との相性と、怪獣8号への誘因がある層が持つ特徴があります。

  • 怪獣8号誘引者分布
  • 怪獣8号の誘引者特徴|消費行動

なぜメインターゲットがこの世代になったのか。他にもグッズに関する分析など具体的な数値データとプロセスについても記載されている詳しい資料は以下からダウンロードできます。

データの重要性

ここまでの紹介の通り、提案先のポジショニングと課題を見つけ、それにあったコンテンツを提案するには2つの視点でのデータが必要です。

自社情報であればある程度もっているかもしれませんが、競合情報やコンテンツに関する情報はなかなか手元になく外からの入手が必要で手間がかかることもあるでしょう。

ただし、このデータを抑えておくことで提案先に合っている独自の提案を出すことができます。IP活用の提案や施策の質を上げていくにはデータ活用は避けられないでしょう。

この提案は資料としてまとめていますので他のコンテンツのデータや詳しいデータ内容を見たい場合は以下から是非ダウンロードしてみてください。

成功するIP活用のための実践ポイント

施策開始前の確認

IP活用を成功させるために、開始前の準備が極めて重要です。まず、自社の商品・サービスとIPの適合性を詳細に検討する必要があります。

また権利関係の確認も欠かせません。使用期間、使用範囲、使用媒体などの条件を明確にし、後のトラブルを回避することが重要です。

さらに予算配分では、ライセンス料だけでなく、制作費用やプロモーション費用も含めた総合的な投資計画を立てることが求められます。

効果的なKPI設定と測定方法

IP活用の成功を測るKPI設定では、従来の売上指標だけでなく、ブランド価値向上の指標も含める必要があります。認知度、好感度、購入意向の3つの段階で効果を測定することで、より正確な評価が可能です。

そして測定タイミングも重要な要素です。キャンペーン前、実施中、終了後の継続的な測定により、IP効果の推移を把握できます。

長期的な視点では、ファンとの関係性構築や、次回キャンペーンへの期待値なども測定対象に含めることが推奨されます。

IPの実践テクニックとツール

デジタルマーケティングとの連携手法

現代のIPマーケティングでは、デジタルチャネルの活用が成功の鍵となります。

SNSプラットフォームでは、IPキャラクターを活用したコンテンツが高いエンゲージメント率を示す傾向があります。TikTokやInstagramでの短編動画は、若年層への効果的なアプローチ手段となっています。

ECサイトでは、IP商品専用の特設ページを設置し、世界観を表現したデザインで購買意欲を刺激する手法が効果的です。

SNSマーケティングでのIP活用法

SNSにおけるIPマーケティングでは、ファンとの双方向コミュニケーションが重要です。キャラクターの「中の人」として運用するアカウントは、ファンとの親密な関係構築に有効です。

ほかにもハッシュタグキャンペーンやファンアート投稿の促進により、ユーザー生成コンテンツを増加させる戦略も効果的です。これにより、企業側のコンテンツ制作負荷を軽減しながら、より多くの露出を獲得できます。

インフルエンサーマーケティング戦略

IPコンテンツに詳しいインフルエンサーとの連携は、ターゲット層への効率的なアプローチができるようになります。特に、同じIPのファンであるインフルエンサーからの紹介は、高い信頼性を持って受け入れられます。

VTuberやゲーム実況者など、IPコンテンツと親和性の高いインフルエンサーとのコラボレーションが現在注目を集めています。

グローバル展開におけるIP戦略の考慮点

海外市場でのIPマーケティングでは、文化的適応が成功の分かれ目となります。日本で人気のIPが必ずしも海外で受け入れられるとは限らないため、現地市場での認知度調査が重要です。

現地パートナーとの連携により、文化的な違いを考慮したマーケティング施策の立案が必要になります。また、各国の規制や法律への対応も欠かせません。

海外での消費者意識調査をしてみたいなら是非こちらのサービスもご覧ください。


参考:Knowns アジアリサーチ


データ分析による継続改善の具体的方法

IPマーケティングの効果測定では、以下のようなKPIの設定が有効です。

認知度指標として、IPコラボ商品の認知率やブランド連想率を定期的に測定します。感情指標では、ブランドへの好感度やキャラクターへの愛着度を追跡します。

行動指標には、SNSでのエンゲージメント率、コラボ商品の購入率、リピート購入率などが含まれます。

これらのデータを総合的に分析することで、IPマーケティングの真の効果を把握できます。

【ツール紹介】Knowns 消費者リサーチ

IPマーケティングの効果測定や戦略立案において、Knowns 消費者リサーチのような消費者意識データをみることができるツールの活用が推奨されます。

IPに対する消費者の感情や購買意向を定量的に把握することで、より効果的なコラボレーション戦略の立案が可能になります。

特に、IPファンの詳細な属性分析や、競合IPとの比較調査をする際に機能を最大限に活用することができます。

どのようなデータが見られるのか気になる方は是非こちらをご覧ください。


 参考:Knowns 消費者リサーチ


まとめ

IP活用事例の分析から、データドリブンなアプローチの重要性が明確になりました。感覚的なIP選定ではなく、詳細な消費者調査に基づいた施策立案が成功の鍵となります。

そして成功するIP活用では、適切なターゲット設定、効果的な測定方法、そして継続的な改善サイクルの構築が不可欠です。データに基づいた戦略により、IPの持つ潜在力を最大限に引き出して活用しましょう。