ブランド調査の方法を7つ解説|ポイントやタイミングも丁寧に説明
ブランド調査の方法で悩むことはありませんか。
「自社のサービスや商品をどんな人が買っているか?」「どんな評価を得ているのだろう?」消費者に商品やサービスを提供する会社なら一度はぶつかる疑問や課題。そんな疑問や課題を解決できる、高品質なアンケート調査の手法を解説します。
作成する上で抑えておきたいポイントや実施するタイミングも丁寧に説明するので、ブランド調査に課題を抱える方は必見です!
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ブランド調査はなぜ必要なのか?
そもそも、ブランド調査についてよく分からない、という方もいるでしょう。「ブランド」とはなんなのか、そして「ブランド調査」がなぜ必要なのかを説明していきます。
そもそもブランドとは
そもそも、マーケティングにおいてブランドとは、特定の製品・サービスを識別し、競合他社のものと差別化することを目的とした、名称・言葉・シンボル・デザイン及びそれらの組み合わせのことです。
そして、ブランド調査は企業や商品・サービスにおけるブランドの状態について知ることで、そのブランドを認知している消費者にどの程度浸透しているか、またどのような評価を受けているかなどを多面的に調べるための手段です。
ブランド調査の種類
ブランド調査、と一口に言っても種類はいくつかあります。
例えば、よく用いられるのが以下の3つです。
- ブランド認知調査
- ブランドイメージ調査
- ブランドロイヤルティ調査
それぞれ詳しく紹介していきます。
ブランド認知調査
ブランド認知調査は、ターゲット顧客がどの程度ブランドを知っているか、またどのように認識しているかを測定するための調査です。この調査は、ブランドの知名度を高めるためのマーケティング活動の効果を確認するうえで不可欠です。
例:「このブランドをご存じですか?(Yes/No)」
例:「このカテゴリで一番最初に思いつくブランドはなんですか?」
例:「キャンディメーカーを3つ挙げてください。」
ブランドイメージ調査
ブランドイメージ調査は、消費者がブランドに抱く印象や感情的なつながりを明らかにするために行います。この調査により、ブランドが市場でどのように位置付けられているかを理解し、改善点を見つけることが可能です。
例:「このブランドを聞いてどのようなイメージが思い浮かびますか?」
例:「高品質」「信頼できる」「親しみやすい」などの項目を5段階評価。
ブランドロイヤルティ調査
ブランドロイヤルティ調査は、顧客がブランドに対してどの程度忠誠心を持っているかを測定します。この調査は、リピーターの獲得やブランド支持者の育成に重要です。
例:「このブランドを友人や家族にどの程度推薦しますか?(0~10点で評価)」
例:「今後もこのブランドを購入しますか?(Yes/No)」
例: 「商品にどの程度満足していますか?(5段階評価)」
では、なぜこれらのブランド調査が必要なのでしょうか?
自社ブランドのポジショニングが明確になる
ブランド調査でわかることの一つとして「自社のポジショニング」が挙げられます。
ポジショニングとは、マーケティング戦略の一つであり、企業やブランドが市場においてどのような立ち位置を目指すかを決めることを言います。
ブランド調査、特にブランドイメージ調査によって得られた結果から、同じジャンルの商品やサービスを提供している競合と比較して、何が特徴なのか、または似ている部分は何かなどを把握し、それをもとにどのような戦略を打っていくのかを決める手がかりとすることが可能となります。

ブランドに対する市場の認識を正しく知ることができる
また、ポジショニングを明確にすること以外に、ブランドに対する市場の認識を「正しく」知ることができるというのも大きな利点です。
市場では意外と異なる印象を持たれていることがあります。こうしたギャップを把握することで、顧客の実際の評価と期待を理解し、マーケティング戦略の見直しやブランドメッセージの改善に役立てることができます。
ブランド調査で抑えるべきポイント
定期的に調査する
市場は常に変化しています。定期的な調査の実施は、ブランドの現状を把握するために重要です。市場環境や消費者のニーズは日々変化するため、定期的な調査を通じてその変化に対応できるようにします。
これにより、顧客の満足度やブランドに対する認知度の変動を追い、必要に応じて迅速にマーケティング戦略を調整することが可能です。また、一定の間隔で調査を行うことで、ブランドの成長や改善の効果を継続的に評価することもできます。
多面的に調査する
ブランドの価値は単一の側面だけでは把握できません。消費者の視点、競合他社の動向、社内の視点など、多面的に調査を行うことで、より精度の高い結果を得ることができます。
例えば、アンケート調査で消費者の意識を探る一方で、SNSの投稿やレビューを分析することで、ブランドに対するリアルタイムな声を知ることが可能です。
この「多角的」というのは、市場だけに止まらず、社内の視点なども取り入れることによって、ブランドが目指すべき方向性と市場での認知の違いを把握でき、戦略の再構築にも役立ちます。
指標を設定する
ブランドの価値を正確に評価するためには、具体的な指標を設定することが欠かせません。
認知度、好感度、購入意向といった指標を設定することで、調査結果を具体的な数値として分析できるようになります。
競合と比較する
ブランド調査の際には、競合と比較する視点を持つことも重要です。
同じ市場で競い合うブランドと比較することで、自社の強みや弱みをより明確にすることができます。
例えば、消費者が競合ブランドと比較して自社ブランドに抱く印象を調べることで、ブランドの差別化ポイントを洗い出すことが可能です。
先述したように、ブランド調査の競合比較は、自社のポジショニングを明確にする手段でもあります。
ブランド調査を実施すべきタイミング
基本的なブランド調査のポイントについて抑えたところで、この解説から具体的な手法について説明していきます。先ほど、ブランド調査は定期的に行うべきと述べましたが、では、いつ頃実施すれば良いのでしょうか?
基本的には、プロダクトライフサイクルの4段階に沿って、調査を実施します。
- 導入期
- 成長期
- 成熟期
- 衰退・停滞期

※プロダクトライフサイクルとは
企業の商品や事業・サービスなどが市場に導入されてから、衰退するまでの成長のプロセスや基本戦略を体系的にまとめた理論のこと
ブランドの導入期
まず、ブランドの導入期です。いわゆるブランドを新たに発表したり、開発を進めている段階では、消費者の初期反応を確認するための調査が重要です。
この段階では、ブランドが市場にどう受け入れられているのか、消費者の期待と実際のイメージにどのようなズレがあるのかを早期に把握することで、改善の方向性を見つけやすくなります。発表直後の調査は、ブランドのコンセプトやメッセージが適切に伝わっているかの確認にも役立ちます。
ブランドの成長期
次に、ブランドの成長期です。ブランドが一定の知名度を獲得し、成長を続けている段階では、消費者の信頼度や満足度を把握するための調査が有効です。
この時期には、リピーターやファン層の声を集めることが、ブランド力の強化に繋がります。また、新たなマーケットへの進出や製品ラインの拡大を検討する際には、ターゲット層のニーズを理解し、より効果的なマーケティング戦略を立てるための指針となります。
ブランドの成熟~衰退・停滞期
ブランドが成熟し、市場での存在感が一定に保たれている段階では、消費者の関心が他の新しいブランドに移りがちです。
そこで、衰退・停滞期にこそ、ブランドの現状を見直すための調査が必要です。
成熟期のブランドは、改めてブランドの価値を見直し、消費者に対してどのように新しい価値を提供できるかを考えるタイミングになります。停滞感を打破するためのアイデアや、新たな方向性を見つけるための重要なデータを得ることができるでしょう。
ブランド調査の方法
ここでは、ブランド調査を行う際に扱う調査方法について解説します。
定期的な調査や多面的な視点、競合との比較など、効果的な調査を実施するために欠かせない方法をポイントを抑えつつ、紹介します。
調査方法 | 具体例やポイント |
---|---|
インターネット調査 | webアンケートなど |
郵送調査 | アンケート用紙を郵送により回収 |
街頭インタビュー | 調査員が直接街頭で、消費者に声をかけて意見を集める |
訪問調査 | 調査員が対象者の自宅や職場を訪問し、対面で質問を行う |
電話調査 | 電話を通じて対象者にアンケートを実施する |
マーケティング会社への依頼 | 大規模な調査や高度な分析 |
SNSの投稿から情報収集 | リアルタイムで消費者の声を拾う |
インターネット調査(ネットリサーチ)
現在、一般的に用いられている調査方法が、webアンケートなどのインターネット調査です。
コストが比較的低く、短期間で広範なサンプルを集めることができるため、多くの企業がブランド調査に採用しています。また、特定の属性や興味を持つ消費者をターゲットに絞った調査も可能です。調査結果を迅速に得られるため、リアルタイムで市場の声を反映させた施策を打ち出すことができます。
郵送調査
郵送調査は、調査対象者にアンケート用紙を郵送して回答を回収する方法です。インターネット環境に左右されず、普段ネットを見ない高齢者や特定の地域の人々をターゲットにした調査に適しています。
回答者がじっくりと時間をかけて記入できるため、深い洞察を得られることがメリットです。ただし、回収に時間がかかるため、結果が得られるまでに一定の時間を要します。また、郵送コストがかかるため、予算に余裕がある場合に向いています。
街頭インタビュー
街頭インタビューは、調査員が直接街頭で、消費者に声をかけて意見を集める調査方法です。リアルな反応をその場で得ることができ、感情の変化や言葉遣いから、ブランドに対する率直な意見を引き出しやすいという特徴があります。
特に、新しい商品やサービスの印象を確認したいときに効果的です。調査員が必要で人件費がかかる点や、調査エリアに限定される点や、対象者が緊張や不信感により本音を話さない可能性があるというデメリットではありますが、雑談を交えて雰囲気を作るなどすると、直接の対話から質の高い情報を得られるでしょう。
訪問調査
訪問調査は、調査員が対象者の自宅や職場を訪問し、対面で質問を行う方法です。この方法は、回答者にとってわかりにくい質問や複雑な項目についても、直接説明しながら進められるため、詳細な情報を得るのに向いています。
また、回答者のライフスタイルや居住環境を観察できるため、より深いインサイトを得ることが可能です。
しかし、訪問にかかる時間やコストが高くなるため、実施の際には十分な計画が求められます。
電話調査
電話調査は、電話を通じて対象者にアンケートを実施する方法です。広範囲の対象者にアクセスでき、インタビュー形式で質問するため、深掘りした情報を得やすいという特徴があります。
特に、ネットを利用しない層にもアプローチできるのがメリットです。ただし、忙しい対象者には断られることも多く、回答率の低下や拒否反応が課題となります。
また、回答の長さや内容がインタビュアーに依存するため、訓練が必要となります。電話調査を専門としている会社に外注するのも一つの手段ですが、その場合、インサイトを深掘りできるかどうかなどの確認をすると良いかもしれません。
マーケティング会社への依頼
ブランド調査を専門的に行うためには、マーケティング会社に調査を依頼するのも効果的です。専門家による調査設計や分析が行われるため、精度の高い結果を得ることができます。
特に、大規模な調査や高度な分析が必要な場合には、自社で全てを実施するよりも効率的です。また、最新の調査手法やデータ分析ツールを活用できるため、調査結果に基づいた戦略立案に役立ちます。ただし、コストがかかるため、予算とニーズに応じて選ぶことが大切です。
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SNSの投稿から情報収集
SNSは、リアルタイムで消費者の声を拾える貴重な情報源です。SNSの投稿を分析することで、ブランドに対する好意的な意見や不満、トレンドの変化を素早くキャッチできます。
特に、ハッシュタグやキーワードを使ったモニタリングによって、ブランドに対する自然な反応を把握することが可能です。調査対象を広げやすく、コストも比較的低いのがメリットですが、感情的な投稿が多いため、正確な分析には工夫が必要です。
また、XやInstagramの投票機能やリプライ・コメント欄で調査することも可能ですが、こちらも同様、サクラを雇っている可能性や感情的な反応が多い可能性もあるため、対策が必要です。
ブランド調査に活用できるツール
ブランド調査をスムーズに進めるためには、専用のツールを活用することが有効です。ここでは、具体的な調査ツールやサービスの概要を3つ紹介します。
Fastask
Fastask(ファストアスク)は、ジャストシステムが運営するアンケートサービスです。企業や団体から依頼が来るアンケートやチャットインタビューに答えると、現金などと交換できるポイントが獲得できるポイ活アプリを通じて、全国にいるアプリユーザーの意見を集めることが可能。
アンケートの設計、実施、分析までを自分で行うことができ、企業規模や業種を問わず利用できます。
参考:Fastask
見える化エンジン
見える化エンジンは顧客の声(VOC)や社員の声などのテキストデータを可視化するテキストマイニングツールです。
※テキストマイニングツールとは、大量のテキストデータから有益な情報を抽出・分析し、結果を可視化するシステム
また、オプションとして「瞬足リサーチ」の機能などもあります。これは、見える化エンジンのデータ収集方法のひとつで、画面から質問を送信することで、手軽にモニターより回答を集めることができるサービスです。
全国のモニターに対して質問をすることが可能で、1週間の間でおよそ300~800サンプル程の回収が可能です。
参考:見える化エンジン
Knowns 消費者リサーチ
Knowns 消費者リサーチは、企業がマーケティングや新規事業の開発に役立てるための消費者データを提供するサブスクリプション型の調査ツールです。
企業・ブランド・タレント・アニメ・ライフスタイルなど、さまざまな消費者データを、自社開発したアンケートアプリを通してリアルタイムで回収でき、そのデータが誰でもカンタンにわかるグラフとして提供されることで、売上につながる顧客分析を実現することができます。アプリ会員数は、2023年11月時点で5万人程度です。
データの回答性に関しても、独自の自動判別機能と人の目でチェックをしている他に、50個くらいのアルゴリズムを入れており、適当な回答をしている人を判別できるようにしており、正確なデータを集めるのに最適です。
ブランド力を高めるための方法
ブランド価値の向上には、理念や価値観の確立、ターゲットに向けた効果的なアプローチが欠かせません。
ブランドファンを増やすための具体的な施策についても紹介し、ブランド力をさらに強化するための方法をお伝えします。
ブランドの理念・価値観の確立
ブランド力を高めるためには、ブランドの理念や価値観を明確にすることが重要です。これにより、消費者がブランドを選ぶ理由や共感ポイントを提供することができます。
ブランドの核となるメッセージが一貫していると、消費者の記憶に残りやすく、信頼感も向上します。
理念や価値観は、広告や製品のパッケージ、ウェブサイトのメッセージなどを通じて、統一感を持って伝えることが大切です。

最適なターゲットへの露出・広告
効果的なブランドの露出を行うためには、適切なターゲットに向けてメッセージを届けることが重要です。広告の展開先やメディア選びを戦略的に行い、ターゲット層がよく利用するプラットフォームでの露出を強化します。
例えば、若年層向けであればSNS広告、ビジネス層向けであればビジネスメディアなど、ターゲットの特性に合わせたメディアを選ぶことが求められます。広告やコンテンツが配信されたときに、その配信先のユーザー数を指す指標である「リーチ」を取るのがブランディングを高めるための第一歩と言えるでしょう。
ブランドのファンを増やす
ブランド力を高めるためには、単に認知度を上げるだけでなく、ブランドのファンを増やすことが大切です。ファン層が増えることで、ブランドの口コミ効果が高まり、新規顧客の獲得にもつながります。
ファンを増やすためには、顧客に対して一貫した価値を提供し、ブランドに対する満足度を高める施策が重要です。
まとめ
ブランド調査を行うことは、自社のブランドが消費者にどう受け止められているかを正確に理解し、マーケティング戦略を打つために重要です。
定期的かつ多面的に調査を行うことで、消費者のリアルな声を把握し、ブランドの強みや課題を明確にすることができます。こうしたプロセスを通じて、競合に対する優位性を確保し、ブランド力を一層強化することができるでしょう。