マーケティングリサーチを分かり易く解説!| 主な調査方法から重要なポイントまでご紹介
今回はマーケティングリサーチについてご紹介。
最近マーケティング担当になったけれどマーケティングリサーチがよくつかめていない。
いざマーケティングリサーチをやるとなったけれどやり方に自信がない。
そういったときに役立つマーケティングリサーチについての基本から、調査方法やプロセスの手順、重要なポイントまで幅広く解説していきます。
マーケティングリサーチとは
企業がマーケティング活動を行う上で、課題解決に必要となる情報をターゲットとなる顧客から収集し、分析することです。
企業が提供する商品やサービスが、ターゲットとしている人達に「どれほど認知されているのか」「どのくらい利用しているのか」「利用後、どんな意見があり、改善点の有無はあるのか」など、消費者視点のデータを集約して分析します。
つまりマーケティングリサーチを行うことで、より消費者の満足度が高いマーケティング活動を行うことができるようになります。
市場調査との違い
市場調査を一言でいえば「過去から今」について調査する目的で行われます。つまり商品やサービスに関する数値や多様なデータを用いて、市場の現状や実態を把握します。
対して、マーケティングリサーチは「今から未来へ」向けて行う調査です。
市場調査と同様に数値やデータを用いますが、大きな違いはこれからの商品・サービスの市場動向を予測・観察するニーズ探索をします。
■マーケティングリサーチと他の調査の関係性

また市場調査はマーケティングリサーチの一部ともいわれ、他にも広告調査や製品調査などがマーケティングリサーチに含まれてきます。
参考に読みたい記事
市場分析を丁寧に解説|基本の4STEPと活用パターンをご紹介
マーケティングリサーチの役割とメリット
マーケティングリサーチの主な役割は、「マーケティング目的を達成するため、進むべき最適なルートの確率をあげること」になります。
1,顧客の実態やニーズを把握する
マーケティングリサーチを行うことで、「顧客はどんな人なのか」「何を求めているか」など、商品やサービスを提供するのに必要な顧客の悩みやニーズを、的確に把握することができます。
つまり企業は単に商品やサービスを販売するだけでなく、顧客が本当に必要としている価値の提供を実現できます。
2,市場理解を深める
毎月のようにトレンドや市場価値が変化する現代において、自社の優位性を保つには常に最新情報をアップデートしておく必要があります。
めまぐるしく変化する環境で、「何が変わって、何が変わってないのか」を把握し続けるためにも、マーケティングリサーチはとても有効な手段です。
3,経営リスクを軽減させる
ビジネスをする上で、常にリスクが伴っているのは”コスト”です。
新規ビジネスのスタートや規模拡大のプロジェクトなど、新しい価値の創造に挑戦するならばもちろん成功したいですよね。
マーケティングリサーチは「今から未来」へ向けて行う調査ですので、リスクが伴うビジネスの新たな価値の創造においては失敗のリスクを軽減することができます。
調査結果をうまく分析することができれば、成功率を高めたり、早期撤退の判断を早めるきっかけを作ることができます。
主なマーケティングリサーチ手法
定量調査と定性調査
定量調査とは、市場実態の把握や仮説検証のために、量的データを収集するリサーチ手法です。
数値データを収集し、そのデータを統計的に分析することで、全体の傾向やパターンを把握することができます。
対して定性調査は、定量調査では見えにくい消費者の心理や購買行動の理由など、数字では表しにくい質的データを収集するリサーチ手法です。
数値では捉えきれない対象者の意識や動機、行動の背景を深く理解することができます。
次に定量調査と定性調査の具体的な調査方法をご紹介します。
■定量調査と定性調査の例

電話調査
調査員が調査対象者に電話をかけて、質問をしていく形式の調査方法です。
口頭で回答してもらい、それを記録・回収していきます。
郵送調査
アンケート用紙(調査票)を郵送して実施する調査です。
調査対象者に用紙を郵送し、回答を記入した用紙を返送してもらい、データを回収します。
アンケート調査
インターネットや紙媒体を用いて、多くの回答を収集する方法です。
特にインターネットを用いたオンライン調査は、低コストかつ簡単にサンプルを集めることができます。
ホームユーステスト
対象者の自宅に商品を送り、自宅にて試用してもらう調査のことです。
生活の中で利用してもらうことから、調査対象者の実態に近い本音を聞くことができます。
また一定期間の試用であれば、途中経過も観察することができるため、より精密な結果を得ることができます。
デプスインタビュー
司会者と、調査対象者が一対一で行う調査のことです。
回答が可能な調査対象者の中から適した1人を選定し、インタビューで深堀りする方法となっており、対面やビデオ通話など様々な方法で実施できる特徴があります。
グループインタビュー
司会者の進行のもと、インタビュー形式で実施する調査のことです。
調査課題を検証するのに適した調査対象者を集めて、グループ単位でインタビューします。
マーケティングリサーチを行う基本の手順
1,調査目的・仮説の設定
まず調査で何を明確にしたいのか、どのようなデータを取得したいのかを定める必要があります。
顧客が抱える課題や企業が抱える課題を整理し、解決のために必要なデータをイメージします。
そして調査で明らかにしたいことを顧客主体で明確化するフェーズです。
また調査目的が明確であれば、その後の設計や調査・分析もスムーズに行うことができます。
つまりマーケティングリサーチにおいて最も重要な箇所と言えます。
調査目的を明確にする他に、課題や目的に基づいた仮説を立てることも重要です。
仮説を立てることでリサーチの焦点が絞られるので、効率的にデータの収集・分析を行うことができます。
一方で仮説を立てないまま調査設計フェーズに進んでしまうと、リサーチの方向性が正確に定まらず、無駄な労力と時間を費やす恐れがあります。
2,調査設計
リサーチの目的や設定した仮説に応じた適切な方法を選択し、課題解決に必要な情報を効果的に収集するための計画を立てます。
「だれに、いつ、どのように」などの必要な情報を定義し、適切なデータ収集方法の選択、調査票の項目作成、収集したデータの評定基準を定めます。
3,調査実施
実際に調査を実施し、これまでのプロセスで構築した仮説を検証します。
実施する調査手法によって、インターネット上でアンケート調査やインタビュー、試作品の試用など、データ収集の方法は多数存在します。
顧客が抱える課題の解決に、最適な方法を選択することをおすすめします。
4,データ分析・意思決定
調査から得られたデータを分析するフェーズです。
調査方法や得られたデータ、活用イメージによって用いる分析手法は異なります。
ここで意識するのは調査結果を分析して「何が分かるのか」、そして「どう活用できるのか」を模索することです。
分析結果から施策に移るのか、もう一度検証のリサーチを行うのか判断し実行します。
■マーケティングリサーチのサイクル

効果的なマーケティングリサーチを行うためのポイント
適切なターゲット設定
前述にもある通り、マーケティングリサーチにおいて最も重要なのは調査目的を明確にすることです。
この調査目的を明確にするコツとして、目的を言語化もしくは図で書き出すことをおすすめします。
例えば課題を解決するために「何を行うのか、何を明らかにするのか」をはっきりさせます。
すると顧客のどの層に対して調査すべきなのかが分かるようになります。
この作業を行うだけで、マーケティングリサーチのプロセスを進めていく中で無駄な時間や労力はかなり削減されます。
信頼性の高いデータ収集方法
マーケティングリサーチにおいて、信頼性の高いデータを収集し続けることは非常に困難であり、信頼性を確保するほどコストと労力は増えていきます。
プロセスの中で信頼性の高いデータを確保していくには、正確なサンプルサイズの選定やバイアスを排除するための調査設計などが求められます。
さらにトレンドの流れが早い市場や業界についてのリサーチであれば、常に最新のデータが必要になるため、信頼性という質を維持するのにもコストが発生する可能性があります。
こういったリスクを少しでも軽減するために、データ収集方法にて工夫が必要です。
信頼性の高いデータ収集の工夫としては明確な調査目的の設定、回答者はその目的と関連性の高い人々を選定、さらに回答の質を下げない質問作り、調査目的から適切な調査方法を選定するなどが挙げられます。
参考にしたい記事はこちら
リサーチ結果の分析と解釈のコツ
調査結果を効果的に分析するためには、まずデータを的確に整理することが必要不可欠です。
調査データを単に収集するだけでなく、比率や傾向を明確にするために数値データを整理し、消費者から得た具体的な意見やフィードバックを分類していきます。
よって複数の要素間の関連性を見出し、新たな視点を発見することが可能になります。
また消費者の意見をより深く理解するためには、サンプルサイズをできる限り大きくすることが望ましいです。
サンプル数が多ければ多いほど、データの信頼性が高まり、消費者動向の分析の精度が増します。
しかしここで重要なのは、ひとつの情報を鵜呑みにしないことです。
調査結果はあくまで参考材料であり、集まったデータがすべて正しいとは限りません。
参考に市場分析の特徴や手順を詳しく解説した記事も掲載していますので、データ分析で困った点があれば活用してみてください。
リサーチを事業戦略に組み込むには
調査結果の分析が完了したら、そのデータをもとに事業戦略に組み込みます。
商品・サービスへの修正やアップデートが必要になった場合は、リサーチ結果をふまえて社内の関連部署に相談して最適なアプローチをしましょう。
また消費者から高評価を得ていた場合は、その評価をセールスポイントとして広告に取り入れ、ブランド価値や購買意欲を高める起点にすることをおすすめします。
また新規事業へ挑戦するきっかけになったのであれば、リサーチ結果をもとにさらに成功率の高い事業戦略を設計していきましょう。
マーケティングリサーチの活用シーン
新しい商品・サービスの検討
飲食店の場合
飲食店では常に新しい商品の開発やサービスの向上を図る必要があります。
そこでマーケティングリサーチを行い、顧客が求めているニーズやトレンドを把握することが必要です。
例えばランチやディナーなどの忙しい時間帯において、素早い提供サービスを求めている声が多かったとします。
このニーズに対して
・提供の効率をあげるオペレーションの導入
・テイクアウトをより充実させる
などの施策案が浮かび上がります。
次にその課題をコスパ良く解決するために、
・どういったサービスが欲しいか
・以下の選択肢の中で最も必要と感じるサービスはどれか
などさらに詳細なリサーチを行います。
最後にリサーチ結果を分析し、最善の施策を実施することで、ブランド価値の向上に繋がります。
アパレルブランドの場合
アパレルブランドでは、常にトレンドを把握する必要があります。
例えば季節限定商品やコラボレーション商品は注目度も高く、商品のクオリティが売上に大きく影響します。
新しい季節に向けての商品開発、他ブランドや人気タレントとのコラボレーションを企画する際、マーケティングリサーチはとても有効的です。
顧客が注目するトレンドやデザイン、新機能などの需要を的確に把握することで、消費者が求めている商品を開発することが容易になります。
またブランドによってロイヤル層は異なるので、
・価格
・素材
・機能性
・サスナビリティ
などといったどの要素を最優先に商品選択しているか理解することも重要です。
このようにリサーチ結果を分析することで、競合との差別化やトレンドに合わせた商品企画などを図ることができます。
マーケティング施策に対する評価
施策後の評価は、次の戦略立案のための重要なフェーズとなっています。
例として広告ブランドの施策評価をあげてみます。
広告施策で最も重要なことは、施策によって消費者に興味・関心を持ってもらうことです。
よって広告施策を実施する際に、実施中および実施後に広告による効果を測定するとします。
この測定に最適なのがマーケティングリサーチです。
広告キャンペーンやCMを実施以降、閲覧者を調査対象に、
・広告の印象は良かったか
・広告で何を伝えたかったのか理解できたか
・ブランドに興味を持ったか
などといった消費者の声を収集します。
次に調査対象者からの反応や意見を整理し、分析することで施策の評価を具体的に把握することができ、次の施策でどのような点に焦点をあてるべきかがはっきり分かります。
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まとめ
ここまでマーケティングリサーチの説明から活用について広くご紹介しましたがいかがでしたか。
マーケティングリサーチはうまく活用することで、ブランド価値の向上や商品・サービスの改善など多くのメリットを引き出します。
しかし注意点やコツを理解して活用しなければ、無意味な調査になってしまうリスクもありますので、慎重に検討することをおすすめします。
Knowns 消費者リサーチ