仕事でも遊びにも?オンリーワン施策で増えるホテルブランドを分析


 こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
以前アパホテルと東横インの比較分析を行いましたが、現在急拡大をしているのが「マイステイズ・ホテル・マネジメント」だそうです。
先日放送の「カンブリア宮殿」でも取り上げられており、出張での一時滞在から長期滞在まで対応したビジネスに便利なホテルをはじめ、ライフイベントや観光に最適なリゾート地や温泉地のホテルなど幅広いブランドを展開しているそうです。

参考:"オンリーワン"の価値をつけろ!急拡大のホテルグループの全貌  / テレビ東京


今回はそんな「マイステイズ・ホテル・マネジメント」について分析したい思います!

マイステイズ・ホテル・マネジメント


マイステイズ・ホテル・マネジメントの歴史

「マイステイズ・ホテル・マネジメント」はバブル経済崩壊後の難局を経て、滞在日数に応じた家具や家電が完備された宿泊提供のビジネスモデルを開発し、1999年に「㈱ウィークリーマンション東京」を立ち上げました。


2005年には「マイステイズ」ブランド1号店として「ホテルマイステイズ舞浜」をオープンし、ホテル事業に本格参入しました。
これまでのウィークリーマンション運営・管理で培ったノウハウと、ホテルのホスピタリティサービスを組み合わせ、市場ニーズに合わせたサービスを提供しています。


参考:企業情報 | マイステイズ・ホテル・マネジメント

現在では「マイステイズ・ホテル・グループ」として、宿泊特化型ホテル・フルサービスのシティホテル・リゾートホテル・地域密着型のコミュニティホテル、温泉旅館・1泊から中・長期滞在に対応する家具家電付レジデンス型などさまざまな業態で展開。
北海道から沖縄にいたる日本各地で100棟以上を運営しています。

参考:マイステイズ・ホテル・グループ ラインナップのご紹介 / マイステイズ・ホテル・マネジメント

またカンブリア宮殿の中でも“オンリーワン”がキーワードとなっていましたが、「マイステイズ」は“人”を大切にすることで成長が実現するという社風​​です。


参考:特別企画 "人"を大切にし挑戦を続ける、マイステイズ・ホテル・マネジメントの戦略 / HOTERES Online


宿泊するお客様だけでなく、働く従業員にも重きをおいており、充実した制度や仕組み​​で若手でも活躍しやすい風土だそうです。

ブランドラインナップが豊富だからこそ、社内でのさまざまな経験やスキルアップも見込めるのでしょう。

利用者層分析

■ブランドデータ_ホテルマイステイズ  認知率/好感率(Knowns 消費者リサーチ調べ)



■デモグラフィック分析_ホテルマイステイズ 現在利用層(Knowns 消費者リサーチ調べ)



マイステイズ利用者のデモグラ構成比をみると20後半、30代後半が多く出ています。
男女比では男性が多いです。

■7 Journey_ホテルマイステイズ(Knowns 消費者リサーチ調べ)



■ファネル分析_ホテルマイステイズ(Knowns 消費者リサーチ調べ)



「マイステイズ」の7 Journeyを見てみると、認知率はそれほど高くありませんが、離反率が低く一定のファンが多いことが分かります。
ファネル分析では認知からの購入意向も78.5%と高く、また現在購入⇒リピート意向は94.7%とリピーターが多いようです。​​

どんな人に利用される?

■サイコグラフィック分析_ホテルマイステイズ 現在利用層・個人価値観(Knowns 消費者リサーチ調べ)



■サイコグラフィック分析_ホテルマイステイズ 現在利用層・社会価値観(Knowns 消費者リサーチ調べ)



■サイコグラフィック分析_ホテルマイステイズ 現在利用層・消費価値観(Knowns 消費者リサーチ調べ)



サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は“アウトドア派””自己愛強め””チャレンジャー”な方が多いです。

社会価値観は“出世優先””ワーカホリック”“依存集中型”と、仕事熱心なビジネスパーソンに多く利用されているのでしょうか。

消費価値観は“ステータス消費”に次ぎ、“ノスタルジー消費”が高いです。

「マイステイズ」を気に入って選んでいる人が多いのかもしれません。

こうみてみるとビジネスホテルとリゾートホテルの両方の利用者の価値観に合っているのでしょうか。

人気上昇の理由は?

ディズニー×マイステイズ

■ワードクラウド_ホテルマイステイズ 現在利用層(Knowns 消費者リサーチ調べ)



■商品・サービスへの意見_ホテルマイステイズ 現在利用層(Knowns 消費者リサーチ調べ)



「マイステイズ」現在利用者のワードクラウドや意見を見ると、ホテル・利用・綺麗のほか、“リーズナブル”“ディズニー”という文字が大きいことがわかります。

現在利用者の声でも“ディズニーリゾート”に関するものが多く、実際に「マイステイズ ディズニーリゾート」で調べると、女性が安心できる・コスパ・一人旅で「ホテルマイステイズ舞浜」が取り上げられている記事がたくさんありました。

■デモグラフィック分析_ディズニーリゾート ロイヤル層(Knowns 消費者リサーチ調べ)



Knowns 消費者リサーチでディズニーリゾートロイヤル層のデモグラを見てみると、20~30代が比較的多く、30後半が多いマイステイズとは完全一致ではありませんがとても近い結果が出ています。

さらにマイステイズのサイコグラフィックから考察すると日々の仕事などのストレス解消としてレジャー施設やホテル滞在を楽しむという意味では、ディズニーとの相性がいいのかもしれませんね。

温泉宿から素泊まり宿まで

その他にも近年、「マイステイズ」は廃業ホテルを次々と受託・運営し、見事に再生させて注目を集めているそうです。

2020年以前には温泉を有する18施設の運営を受託、2021年度は霧島温泉郷(鹿児島県)で50年の歴史をもつ「霧島国際ホテル」の運営を開始しました。 

2022年には「かんぽの宿」30施設の他、自家源泉を有する6施設の運営を開始しています。

参考:マイステイズ・ホテル・グループ、「かんぽの宿」の運営を開始 温泉ホテル・旅館は2022年度累計55施設に / 観光経済新聞

宿泊特化型から総合リゾートホテルまでさまざまな業態の宿泊施設を運営するグループだからこそ、経営不振に陥った全国各地のホテルの再生術に長けているのかもしれません。

■イメージ分析_ホテルマイステイズ 現在利用層(Knowns 消費者リサーチ調べ)



マイステイズ現在利用者のブランドイメージでも「利便性・合理性」に次ぎ、「カジュアル・プチリラックス」が上位にきており、マイステイズ・ホテル・グループのさまざまな業態展開こその結果だと思います。


これらの項目が国内ホテル全体の平均(赤丸)よりもプラスなイメージが高めに出ているのは、“オンリーワン”の施策の結果なのでしょうか。

■イメージポジショニング分析_国内ホテル カジュアル・プチリラックス×利便・合理性(Knowns 消費者リサーチ調べ)



さらに国内ホテルのイメージポジショニング分析をみてみても、マイステイズは「カジュアル・プチリラックス」で5位となっています。

認知率が高いわけではないということだったのでその中での5位はかなり上位と言えるのではないでしょうか。

■相関ランキング_国内ホテル ジャンル特徴差(Knowns 消費者リサーチ調べ)



別の視点で国内ホテルと相関性のあるジャンルランキングの現在購買率を見てみると、1位にレジャー施設、6位に国内旅行がランクインしておりました。

これはレジャー向けの宿泊施設やリゾートが持つイメージからくるものと思われます。

その他の居酒屋やグルメ予約サービスなどはビジネスホテルとの相関性を感じますね。

リゾートホテルだけではなくビジネスホテルとしても運営している「マイステイズ・ホテル・グループ」は他のホテルと比べてどのジャンルとも合う施設を持っているともいえそうです。

今後さらに幅広い層から人気になっていくホテルグループかもしれませんね!

まとめ

「マイステイズ」利用者の特徴
・20後半、30代後半、男性が多い
・アウトドア派・自己愛強め・チャレンジャー
・仕事熱心なビジネスパーソンに利用される
・ステータス消費・ノスタルジー消費の傾向

「カンブリア宮殿」でも取り上げられていたマイステイズが再オープンさせた熱海のホテル「ニューアカオ」では、館内に縁日やテラスからは魚釣りができ、SUPなど海のアクティビティも楽しめるとのことで、実際にKnowns 消費者リサーチで分析したマイステイズ利用者のサイコグラフにぴったりと合った再生術だと感じました。

近年では愛犬と一緒に楽しめる施設にも力を入れている「マイステイズ」。

ドッグランやシャンプールームなどの専用施設の他、ワンちゃん用アメニティや専用食事メニューも用意されている施設が全国に9施設あるそうです!

参考:ワンちゃんとくつろぐ旅にも / マイステイズホテルグループ