冷凍餃子業界の市場分析をしてみた


本記事では凍餃子についてご紹介いたします。

みなさんは冷凍食品や冷凍餃子にはどんなイメージを持っていますか?

低コストかつ簡単に料理が完成することから、”家庭のミカタ”のような存在と捉えている人も多いのではないでしょうか。

今回はそんな冷凍餃子に焦点をあてて、Knowns 消費者リサーチを用いて市場分析やブランド分析を行っていこうと思います。

マーケターや事業者さんのお役に立てると嬉しいので最後まで読んでみてください。

冷凍餃子業界の紹介

冷凍餃子は、冷凍食品業界の中でも特に人気の高い商品の一つです。

料理の手軽さやコスパの良さから、家庭用だけでなく業務用としても幅広く利用されています。

また共働き世帯の増加や在宅ワークの普及などから、”すぐに、美味しく食べれる”という需要が増加していると考えられます。

近年、冷凍餃子のブランドは多様な商品展開が加速しており、コスパや味付け、原材料など消費者の需要に合わせた変化が多く見受けられます。

このように冷凍餃子は商品の多様化や環境の変化に合わせた製品作りなどを背景に、存在感のある業界として注目されています。

そんな冷凍餃子をここからはKnowns 消費者リサーチを使って分析していきたいと思います。

ポジショニングマップ

まずは冷凍餃子業界に属する各ブランドの認知度や満足度などのポジショニングを確認してみます。

認知度ポジショニングマップ

認知率×好感率

まずは認知率と好感率でポジショニングしてみます。

各ブランドの認知がどれくらいあるのか、好印象・好感触と感じている人はどれほどいるのかを確認することができます。

■認知率×好感率 ポジショニングマップ



認知率×好感率では1位が「味の素ギョーザ」となりました。
認知率76.6%、好感率61.7%と2位の「大阪王将羽根つき餃子」と大きく差をつけています。


認知率
好感率
味の素 ギョーザ
76.6%
61.7%
大阪王将 羽根つき餃子
59.8%
43.2%
大阪王将 羽根つきスタミナ餃子
51.8%
33.8%

「味の素 ギョーザ」は株式会社味の素の看板メニューともいえる商品で、素材の美味しさから調理後の出来上がりの見た目まで、幅広い部分にこだわりを持った商品となっています。
調理方法としては、冷凍のままフライパンに乗せ、中火で約5分蒸し焼きにするとパリパリの焼き餃子が完成するという、とても簡単な調理方法となっています。
時間に余裕のない方や料理が面倒な方にはもってこいの商品ですよね。
※調理方法はやや省略した点がありますので、詳細のご確認は以下からご参照ください


味の素冷凍食品株式会社 商品情報https://www.ffa.ajinomoto.com/products/detail/id/293


現在購入層×潜在顧客層
次に現在購入層と潜在顧客層でポジショニングしてみます。
“現在”冷凍餃子ブランドを購入・利用している人はどれほどいるのか、“将来”顧客になる可能性がある人はどれほどいるのかを確認することができます。

■現在購入層×潜在顧客層 ポジショニングマップ




現在購入層×潜在顧客層で、それぞれの1位は異なりました。
現在購入層の1位は先程と変わらず「味の素ギョーザ」の48.7%となりました。


対して潜在購入層の1位は「味の素水餃子」の21.6%となりました。

どちらも味の素が展開するブランドなので興味深いですよね。
味の素はほかにも「黒胡麻にんにく餃子」や「生姜好きのためのギョーザ」など、数多くの冷凍餃子ブランドを展開しており、より多くのターゲットの需要を満たしています。

しかし、それぞれの項目の2位以降を見てみると、「大阪王将」の冷凍餃子ブランドもいくつか確認できます。
ですので現在の冷凍餃子市場は、味の素と大阪王将が大きく占めているといっても過言ではないのかもしれません。

イメージポジショニング
各ブランドのイメージについても分析してみます。

消費者からどんなイメージを持たれているのか、各ブランドの大きな印象はどういった点にあるのかを理解することができます。
ポジショニングする前に”冷凍餃子”に対するイメージを簡単に確認しておきたいと思います。

今回は冷凍餃子を現在購買・利用している人はどんなイメージを持っているのかを探るべく、現在購入層に限定して分析していきます。

■イメージ分析 冷凍餃子



※絞り込み条件 : 現在購入層
最も強いイメージは家庭的・安堵感となりました。
冒頭でも述べた「家庭のミカタ」という認識は、大きくは間違ってはいないように考えられますね。
またベーシック・定番的ハマる・依存するなども上位となっており、餃子が好きな人からすると最高の食品ですよね。
冷凍餃子の魅力に気づいてしまってから、なかなか抜け出せない人も多いのではないでしょうか。
このイメージ分析の結果をもとに、ポジショニングを行っていきたいと思います。

家庭的・安堵感×ベーシック・定番的
まずはイメージ分析の第1位と第2位の項目をポジショニングしてみます。

■家庭的・安堵感×ベーシック・定番的 イメージポジショニングマップ



※絞り込み条件 : 現在購入層
家庭的・安堵感×ベーシック・定番的では、認知率×好感率と同様に「味の素ギョーザ」が1位となりました。
家庭的・安堵感が47.6%、ベーシック・定番的が35.9%と他のブランドと大きく差をつけた結果となっています。


約2人に1人が味の素ギョーザに対して家庭的・安堵感のイメージを持っているので、ブランドがどれだけ家庭のミカタを担う存在かが分かりますよね。
また2位は「大阪王将 羽根つき餃子」となっており、冷凍餃子といえばこの2つの商品のイメージが強いのかもしれません。

コスパ・経済性×利便・合理性


次に商品のコスト面と利便性のイメージについて見ていきます。
日常的に購買するのであれば、商品のクオリティだけでなくお得さ、調理が簡単かどうかなども重要になってきますよね。

■コスパ・経済性×利便・合理性 イメージポジショニングマップ



※絞り込み条件 : 現在購入層
コスパ・経済性の1位は「味の素ギョーザ」で33.0%となりました。
味の素 ギョーザは現時点、ほとんどの項目でトップですので恐ろしいですね…。
「コスパが良いから」という理由で、現在も購買し続けている人が多いことが確認できます。
利便・合理性の1位は「味の素 レンジで焼ギョーザ」の34.2%となりました。


こちらも味の素が展開するブランドがトップとなっています。
レンジで焼ギョーザはその名の通り、レンジで3分間温めるだけで香ばしくジューシーな餃子が出来上がります。
通常なら何工程も必要な調理工程を、レンジ一つで済ませることができるのは非常に魅力的ですよね。

ブランド分析と比較
ここからは冷凍餃子市場の中でも、味の素に焦点を絞ってブランド分析を行いたいと思います。
ポジショニング分析でも味の素のブランドを多く拝見しましたが、先程も説明したように味の素は多くのブランドを展開しています。


味の素冷凍食品株式会社 商品情報
https://www.ffa.ajinomoto.com/products/search?ct=%E3%82%AE%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B6&yclid=YSS.EAIaIQobChMIkqlidXvigMVv1wPAh1wmzPLEAAYASAAEgKlKvDBwE


現在味の素は12種類の冷凍餃子を販売しており、顧客の多種多様な需要に答えています。
今回は味の素の冷凍餃子ブランドから2種類をピックアップし、「味の素 ギョーザ」との比較をしていきたいと思います。
比較によって「味の素 ギョーザ」とは異なる顧客を獲得できているかを確認することができ、味の素が多数のブランドでどのような顧客を獲得しているかを知ることができます。
また冷凍餃子全体のイメージ分析と同様に、ブランド分析でも現在購入層に限定して分析してみます。
まずは簡単にデモグラフィックとイメージ分析を見ていきます。

①味の素 ギョーザ
まずは認知率、好感率、現在購入層などで1位だった「味の素ギョーザ」を見ていきます。

■味の素ギョーザ デモグラフィック分析



※絞り込み条件 : 現在購入層
味の素ギョーザは女性がやや多く、45〜49歳65〜69歳の割合が高い結果となりました。

■味の素ギョーザ イメージ分析



※絞り込み条件 : 現在購入層


またイメージ分析では家庭的・安堵感が1位となりました。
冒頭でも述べた「家庭のミカタ」という認識は、大きくは間違っていないように考えられますね。

またベーシック・定番的ハマる・依存するなども上位となっており、餃子が好きな人からすると最高の食品ですよね。
冷凍餃子の魅力に気づいてしまってから、なかなか抜け出せない人も多いのではないでしょうか。

このイメージ分析の結果をもとに、ポジショニングを行っていきたいと思います。

ブランド分析と比較

ここからは冷凍餃子市場の中でも、味の素に焦点を絞ってブランド分析を行いたいと思います。

ポジショニング分析でも味の素のブランドを多く拝見しましたが、先程も説明したように味の素は多くのブランドを展開しています。


味の素冷凍食品株式会社 商品情報
https://www.ffa.ajinomoto.com/products/search?ct=%E3%82%AE%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B6&yclid=YSS.EAIaIQobChMIkqlidXvigMVv1wPAh1wmzPLEAAYASAAEgKlKvDBwE


現在味の素は12種類の冷凍餃子を販売しており、顧客の多種多様な需要に答えています。

今回は味の素の冷凍餃子ブランドから2種類をピックアップし、「味の素 ギョーザ」との比較をしていきたいと思います。

比較によって「味の素 ギョーザ」とは異なる顧客を獲得できているかを確認することができ、味の素が多数のブランドでどのような顧客を獲得しているかを知ることができます。

また冷凍餃子全体のイメージ分析と同様に、ブランド分析でも現在購入層に限定して分析してみます。

まずは簡単にデモグラフィックとイメージ分析を見ていきます。

①味の素 ギョーザ

まずは認知率、好感率、現在購入層などで1位だった「味の素ギョーザ」を見ていきます。

■味の素ギョーザ デモグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

味の素ギョーザは女性がやや多く、45〜49歳65〜69歳の割合が高い結果となりました。

■味の素ギョーザ イメージ分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

またイメージ分析では家庭的・安堵感が1位となりました。

冒頭でも述べた「家庭のミカタ」という認識は、大きくは間違っていないように考えられますね。

またベーシック・定番的ハマる・依存するなども上位となっており、餃子が好きな人からすると最高の食品ですよね。

冷凍餃子の魅力に気づいてしまってから、なかなか抜け出せない人も多いのではないでしょうか。

➁味の素 レンジで焼ギョーザ

比較対象としてまずは、イメージポジショニングの利便・合理性で1位だった「味の素 レンジで焼ギョーザ」を見ていきます。

料理工程はレンジで3分のみという利便性に特化したブランドでしたよね。

つまり味の素ギョーザとは異なる顧客を獲得できるチャンスがあるのではと考えました。

まずはデモグラフィックから見ていきます。

■味の素レンジで焼ギョーザ デモグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

味の素ギョーザと違って、男性の割合がかなり多い結果となりました。

また20代の割合が少し高いところも注目ポイントになりそうです。

■味の素レンジで焼ギョーザ イメージ分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

イメージ分析を見てみると、最も強いイメージは利便・合理性でした。

味の素ギョーザと比較してもレンジで焼ギョーザの方が数値が高く、コンセプトにあったブランドだと確認できます。

また味の素ギョーザの上位にはなかった期待感・ワクワク必要・ないと困るがランクインしており、利便性を求めている顧客の需要を大きく満たしていると考えられます。

③味の素 黒胡椒にんにく餃子

次に「味の素 黒胡椒にんにく餃子」を見ていきます。

このブランドは味の素ギョーザの約3倍ものにんにくが使用されており、お酒のおつまみとしてもってこいのブランドといえます。

他のブランドと比較してもかなりパンチのあるブランドなので、顧客も大きな違いがあるのではないでしょうか。

まずはデモグラフィックです。

■味の素黒胡椒にんにく餃子 デモグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

味の素ギョーザと比較すると、男性の割合がかなり高いことがわかります。

また20代や30代の割合も高く、さらに深堀りすれば大きな違いが発見できそうな予感がします。

■味の素黒胡椒にんにく餃子 イメージ分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

イメージ分析では、期待感・ワクワクが1位となりました。

しかし家庭的・安堵感は平均を下回っており、他ブランドよりも日常的に親しみやすいブランドではなさそうです。

そして注目すべきはインパクト・衝撃的です。

味の素が展開するブランドでは唯一、上位にランクインしていました。

■家庭的・安堵感×インパクト・衝撃的 イメージポジショニングマップ

※絞り込み条件 : 現在購入層

冷凍餃子全体の中で確認しても、最もインパクトのあるブランドという結果です。

通常より約3倍ものにんにくを使用し、加えて黒胡椒で味付けとなるとインパクトのある味になるのは当然ともいえますね。

ですがこのコンセプトは唯一無二とも言えるので、異なる顧客の獲得という観点ではかなりチャンスがあると考えられます。

■味の素黒胡椒にんにく餃子 ワードクラウド

※絞り込み条件 : 現在購入層

実際に黒胡椒にんにく餃子を購入したことがある人は、ニンニクやビールなどといったお酒のおつまみという印象を持つ人が多い結果でした。

お酒が好きな人に愛されているブランドともいえます。

それぞれどんな顧客を獲得しているのか

次にそれぞれのブランドの顧客には、どんな特徴があるのかを詳しく見ていこうと思います。

サイコグラフィック

まずはサイコグラフィックです。

ここではそれぞれのブランドで特徴のあった結果をご紹介します。

味の素ギョーザ

■味の素ギョーザ サイコグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

味の素ギョーザの顧客は報われ待ち良いもの長もち消費レビュー熟考消費などの割合が高い結果でした。

味の素の看板ブランドであるためレビューも多く、フライパンに張り付かない特徴からフライパンを汚さない・傷つけない魅力が評価に繋がっていると考えられます。

実際に味の素ギョーザがフライパンに張り付くことに関する調査では、多くの人がきれいに剥がれたと回答していました。


味の素冷凍食品(株)2025 年春季 家庭用 新製品・リニューアル品のご案内https://www.ffa.ajinomoto.com/var/pdf/202501072.pdf


こういった小さなこだわりの積み重ねが大きな評価に繋がっているようです。

味の素レンジで焼ギョーザ

■味の素レンジで焼ギョーザ サイコグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

レンジで焼ギョーザでは、都会派おりこうさん定番消費が高い割合となっていました。

利便性に優れたブランドなので、時間を気にする人が多いように考えられます。

また定番消費が味の素ギョーザより高いのは驚きですが、それほど冷凍餃子に利便性を求める人が多いということですね。

味の素黒胡椒にんにく餃子

■味の素黒胡椒にんにく餃子 サイコグラフィック分析 

※絞り込み条件 : 現在購入層

黒胡椒にんにく餃子は完璧主義マインドフリー環境や社会より自分大事の割合が高い結果でした。

他のブランドとは違って社会価値観に大きな特徴が見られた印象でした。

自分や本当に大切な人を大切にする考え方が強いようです。

お酒のおつまみという印象が強かったので、仕事や環境についての特徴がみられるのではと予測していましたが、自分自身に重きを置くという特徴が多かったです。

7 Journey Table分析

次に7 Journey Table分析を用いて、顧客の層をより詳しく見ていきます。

味の素ギョーザ

■味の素ギョーザ 7 Journey Table分析

まずは味の素ギョーザを見てみます。

積極ロイヤルや巻き戻しは女性の方が割合が高く、未認知は男性の方が高い結果となりました。

また30代後半40代の積極ロイヤルが多く、巻き戻しも同様の年齢が多いことが分かります。

そして未認知は10代20代が大きな割合を占めていました。

この結果をもとに他のブランドと比較してみます。

味の素レンジで焼ギョーザ

■味の素レンジで焼ギョーザ 7 Journey Table分析

レンジで焼ギョーザでは積極ロイヤルや消極ロイヤル、巻き戻しなど多くの項目で男性の割合が高い結果でした。

しかし未認知は女性の方が高く、定番ギョーザとは正反対の結果ともいえます。

次に年齢別の7Journey分析を見てみると、積極ロイヤルは20代45〜49歳で高い割合となっているのが確認できます。

また未認知を見てみると、10代20代の割合が特別高いわけでもありませんでした。

定番ギョーザとは違った顧客を獲得できていることが分かります。

味の素黒胡麻にんにく餃子

■味の素黒胡椒にんにく餃子 7 Journey Table分析

最後に黒胡椒にんにく餃子を見ていきます。

性別ではレンジで焼ギョーザと似たような結果となりました。

しかし積極ロイヤルは黒胡椒にんにく餃子の方が割合は高く、男性からの印象は非常に良いと考えられます。

次に年齢別を見てみると、他の2ブランドでは見られなかった特徴がいくつかあります。

まず積極ロイヤルは20代30代45〜49歳が多いことです。

他のブランドと比べて幅広い年齢層に親しまれています。

また巻き戻しは40代50代前半が非常に多く、現在購買していない理由が非常に気になるところです。

つまりこのブランドは20代から40代の男性の顧客が多いことが分かります。

以上の結果を簡単にまとめてみましょう。


<定番ギョーザ>

  • 現在購入層は女性が多く、45〜49歳や65〜69歳の割合が高かった
  • 家庭的・安堵感のイメージが強い
  • 報われ待ちや良いもの長もち消費、レビュー熟考消費の特徴を持つ人が多い
  • 未認知は男性、10代や20代の割合が高い

<レンジで焼ギョーザ>

  • 現在購入層は男性が多い
  • 利便・合理性のイメージが強い
  • 都会派やおりこうさん、定番消費の特徴をもつ人が多い
  • 積極ロイヤルは20代や40代後半が多く、未認知は女性の方が割合が高い

<黒胡椒にんにく餃子>

  • 現在購入層は男性が多く、他の2ブランドより20代・30代の割合が高い
  • 期待感・ワクワクのイメージが強く、インパクト・衝撃的は冷凍餃子ブランドで最も強い
  • 完璧主義やマインドフリー、環境や社会より自分大事の特徴を持つ人が多い
  • 積極ロイヤルは男性が多く、20代から40代まで幅広い顧客がいる

3つの結果を比較すると、ブランドによって顧客の層から特徴までたくさんの違いがあることが確認できます。

また味の素は、この3つのブランドの他にも多くのブランドを展開していることを考慮すると、獲得している顧客の数は測り知れませんね。

マーケの可能性を探る

ここからは王道に戻り上位にランクインする「味の素ギョーザ」と「大阪王将羽根つき餃子」を比較した分析を行っていきます。

「大阪王将羽根つき餃子」はポジショニング分析でも何度か登場しましたが、冷凍餃子市場において味の素の大きな競合ブランドです。

大阪王将は定番の「羽根つき餃子」の他に、「羽根つきスタミナ餃子」や「ぷるもち水餃子」など多くの冷凍餃子ブランドを展開しています。

今回はそんな両ブランドの定番となるギョーザを比較していきたいと思います。

比較分析することで、ブランドの課題や新規顧客を獲得するヒントなどを見つけることができるので、新しい発見に期待したいですね。

顧客の違いはどこにある?

まずは現在購入層に限定して顧客の特徴や違いをみていきます。

■味の素ギョーザ デモグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

■大阪王将羽根つき餃子 デモグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

現在購入層の性別や年齢の比率に大きな差は見られませんでした。

「味の素ギョーザ」の方がやや女性の割合が高く、「大阪王将羽根つき餃子」はやや平均的な年齢層が高いかなと感じる程度です。

次にサイコグラフィックです。

今回は数ある特徴の中から、2つ項目をピックアップして紹介します。

■味の素ギョーザ サイコグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

■大阪王将羽根つき餃子 サイコグラフィック分析

※絞り込み条件 : 現在購入層

1つ目はそれぞれのブランドの現在購入者の性格が少し見えた点です。

「味の素ギョーザ」はコツコツ努力家が多いのに対して、「大阪王将羽根つき餃子」は目標達成型が多い結果でした。

それぞれで慎重派な性格と、アクティブな性格に分かれるのは非常に興味深いですね。

2つ目は味の素の気にしない消費が大きくマイナスの値だったということです。

つまり「味の素ギョーザ」を日常的に購買している人は、原産国や品質などを非常に気にしていることが分かります。

同じ冷凍食品という市場のブランドですが、顧客の色は違うようですね。

7 Journeyから見た顧客の違い

つぎに7 Journeyを用いて、先程とは違った角度から顧客の違いを見ていきます。

■味の素ギョーザ 7 Journey

■大阪王将羽根つき餃子 7 Journey

両ブランドを比較すると「味の素ギョーザ」のロイヤル層の割合の高さに注目してしまいますね。

「大阪王将羽根つき餃子」のロイヤル層が30.9%に対して、「味の素ギョーザ」は48%となっています。

次回も購買したいという顧客は「味の素ギョーザ」の方が多いようです。

対して「大阪王将羽根つき餃子」はチャンスが高い結果となっています。

購入するきっかけをうまく作り出せれば、顧客が増える可能性は「大阪王将羽根つき餃子」の方があるようです。

両ブランドで抱える課題や強みは異なるようですね。

この結果をもとに7 Journey Tableを用いてより細かく顧客の違いを見ていきます。

■味の素ギョーザ 7 Journey Table×性別

■大阪王将羽根つき餃子 7 Journey Table×性別

まず性別で分けてみると「味の素ギョーザ」は、男性未認知がかなり多いことが分かります。

対して女性は、積極ロイヤルの割合が「大阪王将羽根つき餃子」に比べるとやや高い結果となっています。

男性にもっと認知してもらうのは、ブランドの成長に向けた大きなカギになるかもしれませんね。

■味の素ギョーザ 7 Journey Table×年齢

■大阪王将羽根つき餃子 7 Journey Table×年齢

また年齢別にしてみると、両ブランドに共通するのが10代20〜24歳のような若者の未認知が多いことです。

若者の顧客を増やす方法としてはSNSの運用が1つ挙げられます。

“SNS世代”ともいわれる現在の若者から、さらなる認知・顧客の獲得は可能なのかをそれぞれのSNSの利用状況を見て分析したいと思います。

ユーザはどんなSNSを見ている?

■味の素ギョーザ SNS利用状況

※絞り込み条件 : 現在購買・利用・観戦あり

■大阪王将羽根つき餃子 SNS利用状況

※絞り込み条件 : 現在購買・利用・観戦あり

それぞれのブランドのSNS利用状況を見てみると、共通しているのはSNSの利用有無の「利用している」の割合が高くないことです。

■ノウンズ独自調べ SNSアカウント情報比較表

※冷凍食品に関する発信を行っているアカウントを「〇」としています。
※「△」は冷凍食品以外のコンテンツも発信しているアカウントです。
※フォロワー数・登録者数は2025年1月時点。

実際に各SNSの公式アカウントを調査すると、多くの公式アカウントの発信を確認しました。

しかしSNSがブランドに大きく影響していないことはデータから確認できているので、SNS運用により力を入れることでブランドの成長を促せる可能性があります。

逆をいえばSNS以外の広告・宣伝の方が効果があるという見方もできますね。

ここはより深く分析すると新しい発見があるかもしれません。

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今回は冷凍餃子業界の市場分析と、「味の素ギョーザ」について認知度〜イメージ調査まで見てきました。

ノウンズでは、この記事でご覧頂けた機能の他にもさまざまな角度からブランドデータが分析できます。

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